2014-01-01から1年間の記事一覧

シンデレラナイトフライト

http://bluekmar.com/ef/lyrics/derella.html水井が作って、わたしが歌いました。ここに書きたいことは3,000文字くらいあるんだけど簡単に言ってしまうとわたしはこのひとの常軌を逸した語感センスがおそろしく好きで十年。天才って言われればまず彼の飄々と…

自分に忠実であることは本当に孤独で逃げ場がない。私が祈らないのは、一切の責任転嫁をしないという決意に基づいて私が下した選択だ。そこには神への否定も肯定もない。私が信仰を持たないことについて、ある信仰者は、「自分ではどうしようもない状況に直…

第二夜

運命の恋人というのは、共に運命を全うする、という意味合いを示すものではない。そもそも運命は完全に独立した絶対意思であり、けして複数と融合したりすることはない。あらゆる分岐点を掻い潜っても必ず発生するルート、それが運命の恋人である。 私とあな…

第一夜

誰でも良かった。 手当たり次第隠れ蓑を求めて、どこへ逃げたって、すぐに戻らなくてはいけないこともわかっていた。 綺麗に飾られた白い鳥籠の中で、私の人生はゆっくりと収束してゆくのだと思っていた。 お姫様のようなベッドは花柄のシーツに覆われた鉄格…

ニーチェ「この人を見よ」再読

常識、ルール、キリスト教的道徳、ドイツ人的思想、イデアリズム…なぜニーチェがこのように否定を繰り返さねばならなかったのか、彼が生まれながらにしての革命家、ダイナマイトであったことは言うまでもないが、ニーチェという人が生きたこの時代における「…

宵はヨイヨイ明けてはこわい。 酔狂の過ぎるお時間です。 毎日桜並木の下を歩いているので下手に口をひらくと魂がでていってしまう。行燈に照らされた夜桜なんかはとくに危険だ。うっかり川の底に天国への入り口があるような気分になる。 さて今日からしがつ…

煙草と花

私を掻き集めている。私のようなもの、が深淵に落ちて消えてしまっても、私はまだここにあるのだと確信するために。私はこの両手で、私を抱きかかえることができる。言葉を使うことは、自分を拡散させることだ。どんなに明確な意志も、言葉となった瞬間それ…

「何かを失わないと何かを得られない」がこの世の真理のような顔で横行闊歩しているが、そのような貧乏臭さは、恵まれた人間の前では何の影響も発揮することができないばかりか、あっけなく打ち砕かれてしまうのである。 運命は私に必要なものを用意し、不要…

死にむかって生きる人間の発する死にたいはつまり生きたいである。生きたいを発する人間が死へと加速しているのと対応している。生によって得られなかったものを、対である死に求めることができると考えている。そして同時に、生によって棄てられなかったも…

死んでしまった昔の私を掘り起こして、今までごめんね、と言った。死んでいる私を、何度も何度も殺したりして、ごめんね。それはもうほとんど腐りかけていたけど、髪をきれいにととのえて、花をそなえてあげたら、すこしだけよくなった気がした。私はこれか…

たとえば私が死ぬことで絶望するひとがいるかもしれないのだから死んではいけないっていうのは理由にならない。私が生まれることで絶望したひとだっているかもしれないのに。 いや、そういうことではなくて。 でもだってやっぱり死ぬのはずるいと思うじゃん…

私の身に降りかかる凡ゆる事象は私自身ではない。私の存在に何ら影響を与えない。しかしそれらを排除し、抽出される純粋な私自身というものが本当に存在するのか。私を形作っているものは影響の集合体に過ぎない。魂の正体とは、精神を持たない熱そのもので…

見知らぬ路地を歩き回り漸く見つけた本屋は閉店休業で、薄汚れたシャッターが風に揺れているのだった。足元にオオイヌノフグリが咲いている。下校途中の小学生をお地蔵様がにこにこと見つめている。空は青いなあなどと呟いてしまいそうだ。何にでもセンチメ…

舞台は着々と用意されている。私は怖い。私は精算しなければならない。変わらなければならない。終わらせてあげなければならない。あの人を家へ帰らせてあげなければならない。私は怖い。本当に失ってしまったら、どうやって償えばいいんだろう。身勝手な私…

昨日、夢をみた。今はもう言葉にすることもできないくらい、曖昧なものになってしまった。 しあわせな夢の残像はあっという間に薄らいで、あちら側の世界に戻っていってしまう。 どれだけ手を伸ばしてみても、つかまえておくことができない。いつも。いつも…

幸福のかたちは数え切れないほどたくさんあって、手に入れることは案外容易い。自分に合ったそれを見つけることが、とても困難なだけで。あと数時間で、また無事にこの一年を葬ることができます。まだ、生きています。