ごっこ遊びー後日譚

一人遊びが得意な子供だった。

おままごとの台本を自分で作り、台詞を考え、1人で何役も演じたりした。

自分以外の誰かの介入によって自分の物語が台無しにされるのが我慢ならなかったし、共有したいとか、理解されたいという欲求は殆どと言っていいほど感じたことがなかった。

やがて少しだけ大人になり、物語の登場人物は自分が望む望まないに関わらず勝手に増えていくのだと知った。

どこからともなく現れては、いつのまにかフェードアウトしていく数えきれない人たち。

それでも私にとって、世界は相変わらず、共演者も観客もいないおままごとだった。