ピンクのアリス柄やギンガムチェックの苺柄や生成りのショートケーキ柄のワンピースを、BABY,THE STARS SHINE BRIGHTの一番大きいショップバッグに入れて、透明のビニールテープでしっかり封じ込めた。この巨大なピンクの包を17歳の女の子に届ける。東京都某区の一室、背の高い真っ白なクローゼットから、ここまでずりずりと引きずってきた何かをリボンと一緒に鋏でチョキンとやって、綺麗な蝶結びにしてあげた。
物心ついたころから、パステルカラーのふりふりしたドレスを着せられていた。母の趣味なのだ。私の少女時代は母の着せ替え人形としてあった。私にとって過剰装飾とは、母の愛情そのものだった。