通勤途中の並木道、殺風景だった木々に白い花がびっしりと咲いていた。
ついに来てしまったんだ。春が…。
私は毎年、五月病ならぬ四月病にかかる。今年も、例外ではなく。嬉しいとか悲しいとかそういう感情の波に起因することなく涙がぼろぼろとこぼれて、泣き疲れるまで泣く。泣いたあとは、なぜか気持ちがすっきりとしている。
4月は人間にとって出会いと別れの季節であり、自然界においても、生命の新たなスタートの季節である。きっと何か、私にはわからないような何か、とてつもなく大きなエネルギーが生まれているのだろう。そのエネルギーに生命としての私が共鳴して、容量オーバーを起こしてしまったものが、涙なのかもしれない。そんなことを、ぼんやりと考えたりした。目がものすごく痒い。