どこかで誰かが「使用済み」にした言葉に魔法をかけて、あなたは新しい芸術品を作り上げる。壊れた玩具に、花を咲かせるみたいに。

言葉は消耗品なのかもしれない。内側から外側へ出た瞬間から、次々と死んでいっているのかもしれない。それでも紙とペンを捨てない限り、何度でもそれを拾い上げて生き返らせる魔法が、私たちには使えるはずなのです。
そしてその魔法を失わないために私たちは永遠に言葉の奴隷となって、内側から外側への製出活動に従事していかざるを得ないのです。どんなに、苦痛を伴うことであったとしても。

紙とペンの間に生まれる熱こそが私たちの体温。インクは、血液。