記録するためではなく記憶されるために書かれる文章がある。それは確かに呼吸をしていて、忘れら去られた時に初めて意味をなくす。私はそういう文章を愛している。文字は記号だ。しかし文章が記号の集合体でしかないのなら、あまねく全ての感情も嘘だ。そんな世界で生きていけるほど、人間は強く作られてはいない。